どうしたらあきらめず、継続できるのか。本書がヒントを与えてくれそうです。
1.やり抜く力とは何か
やり抜く力っていうのは、瞬発力じゃなくて持久力のことなのよ。
「ものすごくがんばる」のは「やり抜く力」とはちがう
(第4章より)
みごとに結果を出した人たちの特徴は、「情熱」と「粘り強さ」をあわせ持っていることだった。つまり「グリット」(やり抜く力)が強かったのだ。
(第1章より)
挫折した後の「継続」が極めて重要
(第1章より)
本書では、グリット・スケールと呼ばれる指標で10個の質問に答えることにより、「グリット」=「情熱」+「粘り強さ」を計ることができます。
2.やり抜けないのは、なぜか
「やり抜く力」が非常に強い人の場合、中位と下位の目標のほとんどは、何らかの形で最上位の目標と関連している。それとは逆に、各目標がバラバラで関連性が低い場合は、「やり抜く力」が弱いと言える。
(第4章より)
バラ色の未来を想像しているだけでは、短期的にはプラスの面があったとしても、長期的にはマイナスになるということだ。
(第4章より)
例えば医師になるという高い目標を掲げることで、短期的には良い気分になれる。しかし長期的には、目標を達成できなかった失望感に苛(さいな)まれることになる。
(第4章より)
いくら「できる!できる!」と自分に言い聞かせ、ポジティブになろうとしても、また仮にポジティブになったとしてもいつかは壁にぶつかる。ここがやり抜けない理由のひとつがあります。
本書では、最上位の目標を、中位や下位の目標と関連付けたり、同じ目的につながる目標を定めるようにと言います。場合によってはやらないことを決める必要もあると。
本書では、
スタンフォード大学の心理学者キャ
サリン・コックスが、偉業を成し遂げた301名を対象に、功績の偉大さにレベル付けをした。その結果、この功績のレベルと平均
知能指数の関連性はきわめて低いとの結論を得た。
では何が決め手になるだろうか?
この4つの指標は、「超一流の偉人」と「たんなる偉人」を分ける特徴としてもきわめて顕著だった。コックスは4つの指標を「動機の持続性」と名付けた。
(第4章)
そのうちの2つは、グリット・スケールの「情熱」の項目にほぼ当てはまる。
<遠くの目標を視野に入れて努力している(その日暮らしとは正反対の態度)。晩年への備えを怠らない。明確な目標に向かって努力している>
<いったん取り組んだことは気まぐれにやめない。気分転換に目新しさを求めて新しいものに飛びつかない>
(第4章)
残り2つは、グリットスケールの「粘り強さ」の項目にほぼ当てはまる。
<意志力の強さ、粘り強さ。いったん目標を決めたら守り抜こうと心に誓っている>
<障害にぶつかっても、あきらめずに取り組む。粘り強さ、根気強さ、辛抱強さ>
(第4章)
やはり続けるには、目標があり努力する、やめない、粘り強い、意志力がある、あきらめない、などがキーワードのようです。
次回⇒どうしたらやり抜く力は身につくか
1.<興味> 2.<練習> 3.<目的> 4.<希望>
興味の対象は自分で見つけ、さらに興味を深めることができる。鍛錬の習慣も、自分で身につけることができる。目的意識を養い、深い意義を感じることができる。そして希望をもつことも、やはり学ぶことができる。
本書では、『「やり抜く力」を強くする4ステップ』について、第6、7、8、9章で詳細を示しています。明日、これらについて読んでいきます。