【本】シンプルだから、贅沢(ドミニック・ローホー)
モノが消費される時代から、モノをたしなむ時代へと変わっていってほしい。贅沢とは何か、この本を通して考えてみました。
柘植の櫛(つげのくし)で髪をとかすこと
毎朝の私のささやかな贅沢は、柘植の櫛で髪の毛をとかすことです。
(第8章より)
ほんとにささやかだなと思います。私は髪の毛をとかすことに贅沢があるとは思いませんでした。著者のこのような贅沢を知ると、私自身にとってのささやかな贅沢にどのようなものがあるか、まだ気づいていないんだろうと思いました。
櫛の歯先が頭皮をマッサージし、血行をよくすることで血管内の毒素の排出を促すこともこの店で教えてもらいました。
(第8章より)
店員さんと接することを通して、モノのたしなみ方を知る、作り手の思い入れを知ることがあります。すると、そのモノへの愛着が増します。そのような時間を持つことから、自分に心地よいモノ選びが始まっているのです。
耳かきが気持ちよくできる鼈甲(べっこう)の耳かき、髪質などに応じて調整してくれるかんざしなどもなくなる日がくるのでしょうか。その代わり私たちは残念ながら、髪には金属製やプラスチック製のバレッタやゴムを使わざるを得ないのです。
(第8章より)
機能を満たすだけで良ければ「金属製やプラスチック製のバレッタ」でも良いでしょう。一方で機能だけでなく、人の気持ちも満たしてくれるようなモノ、作り手の想いが込められたモノは残ってほしい。それを贅沢と感じてくれる人のために。
まとめ
モノが多いから贅沢とは限らない。ブランド品だがら贅沢とは限らない。
いかに自分にとって、合っていて、心地よくて、豊かな気持ちにさせるか。それが贅沢だろう。
そういうモノを選び、使い続けたい。そう私は思います。