【本】嫌われる勇気(岸見一郎、古賀史健)_③信頼、懐疑、裏切りについて課題を分離して考える

今日は他者信頼について『嫌われる勇気』を読みながら考えてみます。

信用と信頼

 他者を信じるにあたって、一切の条件をつけないことです。たとえ信用に足るだけの客観的根拠がなかろうと、信じる。担保のことなど考えずに、無条件に信じる。それが信頼です。(p.231)

本書では例として、担保があることでお金を借りることができ、これは信用と説明しています。一方で、信頼とは担保のような条件は無しなんですね。

では信頼できるか?

だまされて利用されることだってあるでしょう。しかし、ご自身が裏切った側の立場になって考えてください。あなたから裏切られてもなお、無条件に信じ続けてくれる人がいる。どんな仕打ちを受けても、信頼してくれる人がいる。そんな人に対して、あなたは何度も背信行為を働くことができますか?(p.232)

そう言われると、そんなことできませんと言いたくなりますね。

信頼の反対にあるものは、なんですか?(中略)懐疑です。仮にあなたが、対人関係の基礎に「懐疑」を置いていたとしましょう。他者を疑い、友人を疑い、家族や恋人までも疑いながら生きる、と。(p.232)

これはわかりやすい。信頼しないということは、懐疑なんです。懐疑しか持たない人生は嫌だなって思うので、信頼したい。でもなんか簡単に信頼して良いのかなと考えてしまいます。

信頼、懐疑、裏切りについて課題を分離して考える

他者信頼をするためのポイントは、下記のように課題を分離することのようです。

 ・自分の課題:信頼するか、懐疑するかを選択すること

 ・相手の課題:裏切るか、裏切らないかを選択すること

このように考えると、自分の課題を決めることしか私にはできません。私が裏切られることは相手がどうするかであり、私にはどうにもできないことです。

でも裏切られるのは怖いと思いませんか?そこで本書は下記のように言います。

悲しいときには、思いっきり悲しめばいいのです。痛みや悲しみを避けようとするからこそ、身動きが取れず誰とも深い関係が築けなくなるのですから。(p.235)

深い関係を築きたいと思う相手がいるならば、私はその人を信頼することを選びます。このような他者信頼によって、周りが仲間になり、「ここにいてもいいんだ」という所属感を得ることにつながるのです。

まとめ

他者信頼は、簡単なようで難しいです。

信頼するか、懐疑するかの2択しか無いのかと考えると、グレーゾーンがあるように思います。または、1000円は貸す信頼はあるが、100万円を貸す信頼はないというように、信頼するレベルがあります。

信頼レベルが高いほど築く関係が深くなる、という結論が、私の中の他者信頼の意味と理解しました。