【本】仕事の「生産性」はドイツ人に学べ(隅田貫)_①残業が絶対できないならば、いまの仕事どうしますか?

働き方改革や生産性向上という言葉が、いまの日本に飛び交っていますが、みなさんの職場では、どのように実現しようとしているでしょうか。

今日取り上げる本は、ドイツ人の働き方に着目し、日本人が学ぶべきところを述べています。

日本とドイツの働き方の常識は、どのように異なるのでしょうか。そして、考え方はさまざまですが、みなさんのそして私の職場に活かせることはあるでしょうか。

今週は『仕事の「生産性」はドイツ人に学べ』を読んでいきます。

1.国民は消費者か労働者か

「ドイツと日本は、国民をどう捉えるのかの考え方が違います。ドイツは国民をどちらかと言えば労働者だと捉えて、労働者の権利に重きを置いてきまあした。日本は消費者だと捉えて、消費者の権利を重視していると思います」(中略)ところが、日本では消費者としての権利を重んじたので、「お客様は神様」という意識が強くなったのではないでしょうか。だから、"神様"のためにコンビニ24時間オープンし、土日に休む店などもってのほか、ネットで注文したら商品が翌日に届くのは当たり前という風潮になっているのです。(序章より、ロケーション155)

これは非常に私の肌感覚と一致します。お客様が言えばそれが正しい、顧客至上や顧客満足という感覚です。ひとりのお客様が言ったことが、すべてのお客様の声だと捉える。その声に応えるために頑張る。

24時間オープンしている方が良いし、早く商品が届く方が良い。しかし、それらにもコストがかかっているなら、消費者も考えるでしょう。

2.急な仕事にどう対応するか

当日予定していた仕事の優先順位を見極めて、優先順位の比較的低い仕事は極力翌日以降に回すよう力を尽くします。(序章より、ロケーション229)

ドイツ人は堂々と先送りするのです。それは、自分のプライベートを犠牲にするという発想をあまりもっていないからでしょう。(序章より、ロケーション229)

ドイツ人は基本的に残業をするという考えを持っていないのでしょう。だから定時内でどのように仕事を回すのかという発想をしているようです。

一方で日本人の私は急な業務なら残業するという考えが当たり前に持っています。場合によっては、業務ボリュームが多い時期は、残業を含めた時間で業務計画を立てています。ドイツ人とは全く異なる考え方です。

残業が絶対できないならば、いまの仕事どうしますか?と考えてみたいです。

さらにいえばドイツでは、夕方になって緊急の仕事が発生するところに問題があるのかもしれないと、それを防ぐ仕組みを考えるかもしれません。働く時間を増やすのではなく、労働効率を上げる方法を考えるのです。(序章より、ロケーション229)

この考え方は是非取り入れたいです。根本的対策になりますね。

日々の業務をこなすのに精一杯な状況かもしれませんが、できることから、なぜその問題が起きたか、どういう対策で防げるか、という根本的な対策を考える時間を作り出したいですね。

このように考える時間を作ることが、生産性向上への一歩ですね。

3.人は人、自分は自分

自分のほうが処遇が恵まれていると思っていたのに、彼女のほうがはるかに幸せな人生を送っているように感じました。(序章より、ロケーション254)

この引用での、自分とは著者であり、彼女とはコーヒーを配るだけの仕事をしている人のことを言います。彼女は真っ黒に日焼けしており、著者がその理由を尋ねると、バカンスを楽しんできたという場面。

働き詰めの著者に対して、底抜けの笑顔を見せる彼女。

彼女のその様子を見て、「自分は何をやっているんだろう」と空しくなりました。(序章より、ロケーション254)

ワークライフバランスをどのように取ると、私は幸せなのかを考えさせられる場面です。

皆さんが他人の人生ではなく、自分の人生を生きたいと考えているのなら、同調圧力から抜け出すのがその第一歩です。(序章より、ロケーション291) 

同調圧力とは周りの人と合わせる空気のことを言います。同調圧力が強ければ、自分のことを差し置いて、周りに合わせてしまう状況になります。著者は、日本は世間体を気にする傾向があるといいます。

「人は人、自分は自分」という考えを持っているドイツ人は、自分の軸を持って、自分の価値観の仕事と生活を決めているように思います。

私はどうかというと仕事がなければ食べいけないわけで、プライベートは二の次になりがちです。日本人としては当たり前の考えなのかもしれませんが、今一度自分にとってのワークとライフのバランスを考えてみても良さそうです。

まとめ

当たり前ですが、急にこれらの考え方を私だけが取り入れたところで、生産性向上は進みません。今日紹介した中では、定時内でとのように仕事を回すかを考えるのはやってみたいですね。それほど急がなくてもよい仕事があるかもしれません。

残業が絶対できないならば、いまの仕事どうしますか?と考えてみたいです。

今日は序章を読んだので、引き続き読んでいきます。