【本】言葉にできるは武器になる。(梅田悟司)_心の機微を捉える

第2章で具体的な「内なる言葉」へのアプローチ方法として7つの手順が紹介されていまずが、第1章でとても大事なことが示されているので、まずはそれを紹介します。

「内なる言葉」に気づくには、見過ごしがちなことがあるのでは?どんな習慣付けをするとよいかについて、示されています。

「内なる言葉」に気づくには心の機微を捉える

ある出来事が起きた時に、どのような内なる言葉が生まれ、どのように物事を捉え、考えが進んでいくのかを、自分自身が把握することである。(p.38)

「悲しい」や「うれしい」といった漠然とした括りで受け流すことなく、頭の中に浮かぶ複雑な思いと向き合うこと。その感情1つひとつを言葉として認識し、把握すること。 (p.39)

自分でも気付いていなかった自身の価値観や人間性と対面することにもつながるのだ。(p.40)

そのために、自分の気持ちに関心を持ち、心の機微を捉えることから始めたい。(p.41)

漠然と考えるだけで終わらせるのをやめる(p.56)

「心の機微」という表現が私にとって非常に腑に落ちる言葉です。こういうささいな変化こそ捉えたい瞬間なのです。私の心を動かしたのはなぜだろうと深めたい出来事です。好きな音楽が見つかったり、人に声をかけられてうれしかった、外の空気が気持ち良いなど、心が動く瞬間というものがあります。そういうところに自分の価値観や人間性がありそうな気がします。

自分を知るために、そのような瞬間の出来事と向かい合うことで、価値観や人間性を知る。複雑であっても、どんな感情があったか解きほぐしていくことで、自分ってこうだったんだと気づけるように思います。

ちょっとした心の機微があったときにメモしておき、一日の終わりに振り返ると良さそうです。

まずは「内なる言葉」に意識し気長に続ける

だからと言って、最初から大きな効果や変化を求めてはならない。(中略)はじめから多くを求め過ぎず、あえて「内なる言葉」を意識するだけに留めておくことで、まず習慣を作る(p.56)

考えが足りないところがみつかったり、自分の考えていることが表現しきれていない箇所に気づくことができる。あるいは、実はありきたりなことしか考えたれていなかったと痛感することもあるだろう。(p.59)

「内なる言葉」や自分の価値観は、そう簡単にわかるようなものではないのかもしれません。また自分は考えているようで、実は考えていないことに、情けなさを感じるかもしれません。

しかしそういうギャップに一喜一憂せず、少なくともそういう出来事で心が動いたとか、考えが足りないなと知ったという現状がわかったことも一歩進んだと捉えると良いでしょう。それらはおそらくこれからの「心の機微」とつながってくるはずです。 

 まとめ

この本は読めば読むほど面白い。私のなんとなく感じていたことがきちんと言葉で書かれているのです。それは小手先のノウハウでは解決しない、本質的な、核心的な、自分を知る方法なのです。

すぐには本質に近づけないかもしれない。しかし気長に自分と向き合う時間をつくり、自分の思考のクセを知ることで、自分の特徴・人間性・価値観を知る。

内なる言葉を知ることは、自分探しと同等だ、と私は思います。