【本】部下を定時に帰す仕事術(佐々木常夫)

家庭と仕事を両立させるために、長時間労働の職場を変えてきた、佐々木常夫さんの本を紹介します。

1.仕事の「鳥瞰図」を描く

(鳥瞰図は)実に見晴らしがよく、全体のストーリーが適切かどうかがよくわかってくるのです。(第1章仕事術③より)

本書では、中期計画などのページ数の多い文書作成を例に説明しています。複数のページに渡る資料は、全体が見えにくくなります。そのような状態をA3一枚などにまとめてみるとよいでしょう。

また今まで進めてきた仕事を改めて振り返るときにも鳥瞰図は役立ちそうです。前提としていたストーリーが正しいかどうかがわかるでしょう。

2.デッドラインを決める

常に、実際の締め切りより少し早めに設定するのです。例えば、そこそこ大型の仕事の場合であれば、実際のデットラインの1週間前、どんなに遅くとも3日前とする具合です。なぜか?それは、「間際シンドロームの大損」があるからです。(第1章仕事術⑥より)

 「間際シンドロームの大損」とは、ギリギリで仕上げてしまったために、深く調べることができない、資料に誤字脱字がある、論旨が不明確など、仕事の質が低下することを言います。また、手伝いを得ようとしても直前だと人がいないという事態も起こりえます。

仕事は前倒しが基本ということですね。

3.「在任中に何を成すか」決める

「その職場の在任中に何を成すべきか」という自分自身のミッションを決めて、できるだけ早く達成する方策を考え、業務に望む癖がついていきました。こうすることで、それぞれの職場における職責を、最大限に果たすことができたと考えています。(第1章仕事術⑩より)

経営者、管理職、実務担当など立場は違えど、自分自身のミッションというものはあります。そのミッションを、自分が任されている範囲で何をどのように果たすことができるか、考えましょう。

それを果たすことが、会社や社会の貢献になることでしょう。

まとめ

私が特に気になった3つを上記に取り上げましたが、本書は、34の仕事術、14の佐々木流「独断と偏見のアドバイス」に加えワーク・ライフ・バランスに関する考えが示されています。ひとつふたつと自分で試してみて、生産性が向上させることで、定時に帰るようになりたいものです。